毎日の買い物で地元のモノを選ぶと、地域活性化に貢献して自分も幸せになる、という話

毎日の買い物で地元のモノを選ぶと、地域活性化に貢献して自分も幸せになる、という話

地方の街に住んでいるとこうゆう話を聞く。
「あそこのお店、閉めちゃったらしいよ。」「えぇー、あそこの〇〇好きだったのになー。」

知らないうちに馴染みのお店が閉店していた、という話だがいざ閉店してしまうと何だか寂しい気持ちと、もう一度行ってみたいという後悔の気持ちが湧いてくる。

地方に限ったことではないが、特に 田舎では街の小型店舗や個人のレストランがどんどん閉店していっている。
もちろん「経営」の本質は「競争」なので、閉店の原因は小型店や個人店が競争に抗うための経営努力をしていなかったというのもひとつだろう。

あきらかに美味しくない飲食店や、コンビニやチェーンストアで売っている物しか置いていない専門店は、やはり競争に負けて淘汰されてしまう。

しかしこのような改善すらしない店舗は別としてだ。
なんとかお店を継続させようとしている小型店や、差別化を図ろうと試行錯誤して経営している地方のお店にとって、 今の経済状況というのは各お店の努力だけでは厳しい現状がある。

ここまで「勝っている企業がどんどん勝ち続ける」資本主義的な「格差」が大きくなっている今日、もはや地方の小型店舗や個人店舗が競争している相手は、「大きすぎて相手にならない」位、不平等な競争になっていると感じる。

商店街にあったうどん屋さんは今や、イオンなどの大型モールに入る全国うどんチェーン店と競争をしなくてはならない。
個人経営のカフェは、チェーン展開する喫茶店やスターバックスが相手。町の電気屋さんは大型家電ストアだけでなく、AmazonなどのEC販売店と競争しなくてはならない。

現在の競争は、地域内にある同じような規模の店舗だけではない。
全国または各エリアで広く展開するチェーンストアや、全国どこでも配送されるネット小売との競争なのだ。
つまり全国でもトップクラスの規模と商品力、価格力との競争に晒されている。

こうした大企業は、画一的な品質やサービスが得意で安定している。価格も「規模の経済」が出せるので値ごろな価格を提供することができる。
消費者が「何も考えずに選べ」と言われたら、多くの人がこうした地域外の大規模店舗のモノやサービスを選ぶだろう。

しかしこうなると地方の小型店舗にお金が落ちずに、小型店舗はジリジリと疲弊していくことになる。

地域内乗数効果

地方に入ってくるお金がどの程度地方に留まって、地域内でお金が循環するかを示す指標を「地域内乗数効果」という。

地域内乗数効果が高い地域ほど、お金が地域内で循環し地域経済がまわる。

例えば、ある市の地域内乗数効果が80%の時と20%の時を考えてみる。
所得10万円のうち、8万円(80%)を市内の八百屋やレストランで使ったとする。
8万円が入ってきた店舗も80%(64,000円)を市内で消費する。さらにその64,000円の80%である51,200円を市内で消費する。
このように得た所得の8割を市内で使用すると、多くのお金が市内を回ることになる。

漏れバケツ理論

反対に20%しか市内でお金を使わない、地域内乗数効果が低い場合はどうだろうか。

所得として10万円が入ってきても、ほとんどを市外の大型モールでお金を使ったりネットで買い物をして、市内では所得の20%しか消費しない場合だ。

10万の内2万円が市内で消費される。またその20%である4,000円が市内で使われることになるが、2巡目にして既に市内で消費される額は1万円を切っている。

このように地域内に入ってきたお金が地域外に多く流出してしまうことを、穴の開いたバケツに水を入れても流れ出てしまうことに例えて、「漏れバケツ理論」と呼ぶ。

地域内乗数効果の高い地域と、漏れバケツになってしまっている地域では、地域内で使われるお金の総量が全く異なる。
地域を豊かにしていくためには、地域外へのお金の流出を最小限にする必要がある。

普段の買い物で少し意識するだけで

地域外にお金が流出してしまうのを防ぐためには、地域内の一人ひとりの意識が大切だ。
普段の買い物で、なるべく地域に根ざした店舗で買い物をすること。また地域で生産されたモノを購入することを意識する。

例えば食材を買うのであれば、他県に本社を置くチェーン展開スーパーではなく、 地域の八百屋さんや地域内に本社があるような小・中規模店舗を選ぶようにする。

なぜならば、他県に本社があるチェーン店の売り上げは他県の本社へ集約されるからだ。
そこで働く従業員への給与になるという意味では貢献するが、企業収益自体は地域外に流出することになる。

買うモノもなるべく地域で生産された野菜や精肉などを選ぶようにする。

こうすることで、あなたの使ったお金が地域の八百屋さんに落ち、八百屋さんは従業員への支払い、仕入れ野菜への支払いなどに消費する。
地域で生産された野菜であれば地域内の農家へお金が落ち、農家の方の所得となりそこからまた地域に使うお金となる。

家電を買う場合などもなるべく地域の電気屋さんで消費するように心がける。
ネットで買った方が安いことは誰でも知っているが、ネットで買う価格と比べて数%程度の違いであれば、地域貢献と思って地域内で買った方が良い。

地域内でお金を使う地域経済貢献は、回りまわってそこに住む自分の幸せとなるからだ。

なぜ地域の小規模店舗や飲食店を残していくべきか

地域内の小規模店舗が活性化していると、その地域に住む住民はお店や商品を「選ぶ」ことができるようになる。

想像してみて欲しい。どこへ行っても同じ味のラーメンチェーン店しか存在しなくなってしまったら、地域にあるはずだったお店の違いを楽しむことができなくなってしまう。

どこのチェーン店も同じ商品や食材しか置いていないスーパーしかなくなってしまったら、こだわりの商品を扱う八百屋さんで食材を選ぶことができなくなってしまう。

また街から電気屋さんが無くなってしまうと、ちょっと修理したい時に頼る人がいなくなってしまうだろう。

もちろんチェーンストアを全て否定する訳ではない。
僕もモールに入るチェーン飲食店を利用することもあるし、どうしても近辺では手に入らない商品はネットで買うこともある。

しかし、地方からユニークな小規模店や飲食店が減っていってしまえば、その地域に住む人にとってあまり幸福なことではないはずだ。

「自分たちの地域は自分たちで盛り上げる
そのためにも、地域にあるお店にお金を使う。普段の買い物からなるべくそうゆう意識をする。

規模は小さいかもしれないが、地域内で頑張るユニークな店舗や飲食店を応援するためにはそうした意識がとても重要だ。意識していないと、ついつい便利なチェーン店を使ってしまいがちだからだ。

スペインのサンセバスチャンという街をご存知だろうか。「美食の街」として知られ、大小様々な飲食店が街に多く存在している。

ここに住むスペイン人と話す機会があったのだが、この街にはスターバックスが1店舗しかないそうだ。

世界規模で展開するスターバックスなのだから、もっと勢力を強めていてもおかしくない。グルメで有名なサンセバスチャンであれば尚更だ。

しかしサンセバスチャンに住む人は、チェーンストアが拡大すれば、 街のカフェの多様性が失われてしまうことを理解しているそうだ。

街にこれまであったカフェがこれからも街にあり続けられるように、仮にスターバックスの方が品質が安定していて安価であっても、街のカフェを利用し続けると言っていた。

サンセバスチャンに住む多くの人がそう言った意識があるから、スタバもなかなか大規模に展開できないでいるのだろう。

やはりこうした話からも、地方に住む人の幸せのためにも、普段から地域内でお金を使うことをなるべく意識していくことが大切だと感じた。