上司と意見が合わないたった1つの理由【対処法は?】

上司と意見が合わないたった1つの理由【対処法は?】

組織に属する社会人であればどんな人でも、上司や先輩といった年上の人が組織にはいるはずだ。部署やチーム内に年上の上司がいる場合もあるし、組織的にもう少し上位の管理部隊にいる場合もある。

そして誰しもが一度は思ったことがあるのではないだろうか。
「この上司とは意見が合わないな。」

もちろん人間一人ひとり人格が違うので、そもそも「性格が合わない」場合もあるだろう。普段からなんとなく性格が合わないと感じている上司がいて、そんな相手から注意や叱責をされようものなら、すぐに「嫌いだな」といった感情に行き着く。

だがその場合、上司と部下どちらが良い悪いはまさに個別のケースだろう。上司の性格が誰の目から見ても最悪なのかもしれないし、反対に部下の立場の人間がどう考えても役不足で、叱責もやむなしの場合もある。

上司が悪いのか部下が悪いのかは分からないが、 「性格が合わない」という感情的な理由が土台にあって「この上司とは意見が合わない」と感じる場合は、 上司のことを少しでも好きになるように努めるか、嫌い・苦手なままなるべく関わらないようにするか、といった対処しかないだろう。

だが、厄介なのは「好き嫌い」といったレベルの話、つまり性格が合わないために上司の意見が受け入れがたい、という次元ではなく、上司とは「根本的に考え方が違う」と感じる場合だ。

別に上司のことを好きでも嫌いでもないが(むしろ人としては好きかもしれないが)、ある仕事のケース、進め方、対処法、まとめ方を巡って意見が対立し、一向に合わない。

そんな場合は、自分が折れて上司の意見を取り入れるか、なんとか分かってもらおうと上司を説得し、自分の意見を押し通すかもしれない。

いずれにしても、意見が合わず平行線だった議論は、どちらかの(もしくは両方の)感情にモヤモヤしたものを残したままでないと決着がつかない。

そんな時に、 「どうしてこの上司とは意見が合わないのか」という根本的な理由を知っていると、無駄に意見を合わせようと折れたり、説得したりする必要がなくなる。

この話は中部大学教授の武田邦彦先生が教えていたことで、科学的になぜ上司と意見が合わないかの理由を示してくれる。是非紹介したい。

なぜ上司とは意見が合わないのか

上司というは、年齢が上の場合が多いというのがポイントだ。例外的に同じ年代や年下の上司がいるかもしれないが、上司というのは年齢が上の場合が圧倒的多数のはずだ。

先に結論を記しておこう。なぜ歳が上の上司と意見が合わないのか。それはジェネレーションギャップが理由だ。

何か身もふたもない話に聞こえるかもしれない。だが歳の異なる上司と、異なる価値観を持っていること、つまり世代間で価値観にギャップがあることが、上司と意見が合わない最大の理由となる。

そしてこの論理には「人間の本質」が深く関わっている。

詳しく説明しよう。
下の図を見て欲しい。

武田邦彦氏のお話より抜粋

この図は、「婚前交渉(結婚する前にセックスをすること)を認めない」とどれくらいの人が考えているかを調査して作成されたものだ。

少し古いが1973年、83年、93年と10年ごとに調査されている。

これは、なぜ「年齢が異なると意見が合わないのか」の理由を説明するために引き合いに出された、てもわかりやすい事例だ。

世論、大多数の意見は時代によって変化する

1973年(黒の点線)を見てみよう。25歳の人は約25%の人が婚前交渉を認めないと考えていて、年齢が上がるに従ってその割合も高くなっている。40歳の人は約60%が婚前交渉を認めないと考えている。

ところが20年後の1993年(青い点線)を見てみよう。93年に25歳の人はたった約5%の人が婚前交渉はするべきでないと考えていて、40歳の人でも20%の人しか婚前交渉をするべきではないとしている。

20年間の間に同じ25歳同士、40歳同士でも25%から5%、60%から20%と変化している。

これはつまり、ある事例に対する価値観や大多数の意見・世論は時代がたつにつれて変化していくということを意味している。

1973年に半分以上の人が婚前交渉を認める(図で50%以下)は35歳以下の年齢だったが、93年には58歳以下というほとんどの年齢の方が半数以上となっているのだ。

これについてはなんとなく理解できるのではないだろうか?

例えば「ケータイやスマホを子供に持たせるべきか」みたいなトピックであっても20年前と今を比べると、おそらく大多数の価値観は異なっているだろう。

しかしこの図の見方にはもう一つの視点が存在している。そしてそれが上司と意見が合わない根本原因となっているのだ。

しかし一個人の意見は時代によって変わらない

もう一度上の図を見てみて欲しい。

ここで1973年に25歳だった人と40歳だった人に着目してみる。この人たちは、10年後の83年にはそれぞれ35歳と50歳。そして20年後の93年にはそれぞれ45歳と60歳となっているのだ。

73年に25歳だった人の黒点を見てみよう。婚前交渉を認めない割合は25%を示している。そして10年後の赤い点線で10年歳を取った35歳の割合を見てみる。

するとその割合は25%のままなのだ。またさらに10年後の93年の45歳を見てみる。その割合はかなり近い29%を示している。(下図で黄緑の推移)

同様に、73年に40歳だった人は60%が婚前交渉を認めないとしていた。そして、10年後の83年に同じ人物に同じ質問をしてみる。83年には50歳になって、約52%が認めないとしている。さらに10年後には60歳になっていて、約52%のままである。(下図で白の推移)

つまりこの図が示すもう一つの真理は、「個人の考え方は時代が変わっても変わらない」ということだ。

武田教授によると、人間というのは25歳くらいまでに色々な価値観に触れて、社会的なことに対する個人の価値観を形成していく。そして作られたその価値観は、60歳くらいまでほとんど変わらないまま持ち続けるというのだ。

つまり25歳くらいまでに「これだ!」と思った価値観は60歳までずっとその考えのままで、世間では大多数の考え方が変化していっても、個人の価値観は変化しない。

これが歳の違う上司と意見が合わない最大の理由なのだ。

上司が20代の頃に形成された価値観、しかも仕事上における考え方は、基本的に60歳までその考え方のままで揺らぐことがない。

しかもその考え方というのは、上司が20代だった頃の大多数の意見であり、その時代の「正解」だったことがほとんどだ。上司も時代の中で価値観を形成していき自分の「正解」を確立しているのだ。

しかし、これは時代が変わるに従って大多数の「正解」は変化していってしまう。

意見が合わない時の対処法は?

このように上司と意見が合わないのは、人間の本質的に一度確立した価値観はなかなか変化することない、という理由だった。

いかに時代が変化し、自分の考え方が多くの人の考え方と同じ主流となっていてもそれを上司に説得してもあまり効果はない。

何故ならば、上司も上司で「自分の正解」を確立させていて、一昔前はそれが大多数の正解だったからだ。つまりお互いが「まさにこれが正しい」と思うことを説明しあっても折り合いがつかないのは当たり前なのだ。

だが一つ言えることは、上司も何か憎くてあなたの意見に対抗しているわけではない。自分なりに「正解だ」と思うことを説明しているだけで、あなたを嫌っているから反対しているわけではないことは知っておいたほうが良いだろう。

では上司と意見が合わない時にどうしたら良いか。

納得は出来ないが上司の意見を聞くべきなのか?

そんな時は、是非あなたの意見を優先して欲しい。

武田教授の話にはもう一つポイントがある。それは「時代はいつも良い方向に向かっている」ということだ。

つまりその時代、時代で形成される大多数の意見は、昔と比べ良い方向に変化していっているのだ。あなたの意見も今の時代の中で確立されてきたもので、仮に上司の持つ昔の価値観と違っても、良い方向に向かうものなのだ。

一昔前は、残業は当たり前。モウレツに働くことが美徳とされ、それが正しいことだと多くの人が認識していた。しかし今の時代では時代遅れで大多数は反対するだろう。

しかし当時働き盛りだった20代後半や30代だった人は今60歳前後だろう。時代の風潮もあってあからさまにそんな働き方を強要しないにしても、自身の働き方はどうだろうか?1時間単位でいかに付加価値を出すか、という働き方ではなく、無意識的に長時間労働的な働き方になっていないだろうか?

まさに当時確立された働き方に対する価値観が、今の時代になってもなかなか変化できていない例だろう。

「任せてください!」の一言

だから、上司と意見が合わない時は、自分の考えを信じてみて欲しい。それはきっと今の時代の正解のはずで、良い方向に向かう変化のはずだ。

これを上司に聞き入れてもらう方法はひとつ。「お願いです。任せてください。」と言うことだけだろう。

考え方を説明して納得してもらうことは上記の理由でほとんど不可能だ。上司も自分の正解を確立している。そんな時は、「とにかく何も言わずに任せて欲しい」と頼むことが何より有効的だ。

上司も納得は出来ないにしても、そこまで言われたら任せざるを得ないはずだ。潔く責任を取りつつ、必ず成功させるという気概で「任せてください」という部下に対して、反対する上司は少ないはずだ。

部下であるあなたも自分の意見が正しいと信じているのだから、任せてもらった以上より一層頑張るしかないだろう。

このように意見が合わない上司には、思いっきり「任せてもらう」ことが何よりの対処法だと思う。

 

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