また訪れたい国オランダ【オランダ出張記】

また訪れたい国オランダ【オランダ出張記】

仕事でオランダへ出張にでた。訪れた街は、首都・アムステルダムと港街・ロッテルダム。車で40分程度しか離れていない2つの街はかなり雰囲気が違い興味深かった。またお客であるオランダ人男性がアテンドしてくれたので、現地の人の生の声が聞け、オランダについて色々学べた。考えさせられることも多かったので紹介してみたい。

いわゆるヨーロッパの古都なアムステルダム・近代的なロッテルダム

 オランダの首都であるアムステルダムの雰囲気は、パリやロンドンのような、いわゆるヨーロッパの古都と似ていると感じた。古めかしい建物と石畳の歩道。何百年前から遺る街中を歩けば、ヨーロッパにいるんだなと感じさせてくれる。

アムステルダムに特有なのは運河だ。いたる所に運河が張り巡らされており、街を歩けば橋を渡ってばかりいる。運河沿いの建物は縦に長細く伸びており、ひとつひとつ個性的で見ていて楽しい。散策していても「雰囲気あるなぁ」と感じた。街歩き観光にはもってこいかもしれない。夜も運河沿いがライトアップされるため一層雰囲気がでる。

一方対照的に、オランダ第2の都市と言われる港街ロッテルダムは近代的な雰囲気だった。第2次世界大戦で街が焼け野原になってしまったことで再建をよぎなくされたらしいが、建物の中にはかなり前衛的な建築のものも多く刺激的だ。北海に面しているロッテルダム港はヨーロッパ最大の取引量を誇る。

港近くには、古く今は使われなくなった大型船がそのまま建物として再利用され、レストランとして使われているものもあった。建物内は古い船舶の内部のようになっているらしい。(残念ながら食事はしなかった。)おしゃれだ。

また、昔は穀物を保管していたという超巨大な倉庫が改装され、いまはクラブとして使われているという。なんという大胆さ。確かに日本でもよく知られているAfrojackなど、世界的に有名なDJがオランダから生まれている。

かなり異なる雰囲気の2つの都市。しかしその距離およそ70km。車で約40分、電車で1時間程度の距離である。もし機会があれば両都市を訪れてみても楽しい。

大麻への考え方 合理的な考え方

オランダの文化について一番驚いたことは、大麻と対して規制がゆるいことだ。日本では厳しく取締われる大麻がオランダでは合法で、「カフェ」で吸うことが許されている。

ここでいうカフェとは大麻を吸うショップのことで、コーヒーを飲む場所とは異なる。購入もできるみたいだが、一度に買える量や持ち運んでもよい量が決められているようだ。もちろん日本へ持ち込んだら厳罰。僕は服に臭いがついて、帰国時の空港で留められると面倒なので、念のためホテルでシャツを洗った。

大麻の匂い自体はサンフランシスコ留学中に何度も経験したことがあるため驚きはなかったが、初めて嗅ぐと強烈な臭いに驚く。ツンとする草臭だ。

国が違えば考え方も違う。大麻はうつ病治療に効果あるという研究もある。サンフランシスコでは処方薬として合法大麻がうつ病患者に処方される。但し、患者を装い処方された大麻を売買してしまうブラックマーケットが存在することも事実。

話をもとに戻すが、大麻に限ったことではなく、ここで大事なことは、日本での常識が世界でも常識とは限らないことがある。自分の中でこうだと決めつけていた事が、違った見方があると分からせてくれる。そういった発見は旅の醍醐味であり、異文化交流の楽しい点である。自分の常識で視野を限定してしまわず、オープンな心で旅をした方が、いろんな発見があり、学びがあるだろう。(注:大麻を吸ってみようということではない。)

ちなみにオランダで大麻が合法な理由と国民がそれを支持する理由は、ギャングへの資金を断つという理由があるらしい。合法になる前はギャングが大麻を売りさばき資金源となっていた。合法となってからは誰でも販売可能となり、大麻の売買によってギャングが資金を稼ぐことができなくなった。

ここに僕はオランダ国民の合理的な思考能力・決断能力を感じた。大麻を合法にすることは反対意見も多かったと想像できる。しかし恐らく合法にしようがしまいが大麻を使用する人はなくならないだろう。結果が変わらないのであれば、合法にしてしまいギャングの資金を断つ方が得策だと判断されたのだ。日本のように本音と建前を重んじる文化では、こうした決断を下せないだろうと感じた。

英語力の高さ 綺麗なアメリカ英語を話すオランダ人

お客であるオランダ人男性は、同年代のアラサーであるが、ネイティブのように英語を話す。それもしっかりとしたアメリカ英語だ。彼以外にも、彼の上司・同僚もみな流暢な英語を話す。

ヨーロッパ人は比較的英語リテラシーが高いが、オランダ人はその他のヨーロッパ人よりさらに英語力が高いと感じた。あれだけイギリスが近ければ、イギリス英語に似てもよさそうなものだ。聞けばTVでは普通にアメリカの番組が英語で流れるため、幼少期からアメリカ英語に親しんでいるという。うらやましい環境だ。

思うにオランダという国が発展してきた背景にこうした基本的な英語力の高さがある。国土が狭く資源に乏しいオランダという国は交易で発展してきた。日本が江戸時代の鎖国中に唯一貿易を維持したのがオランダだった。

現代でも様々な国と貿易をし、ヨーロッパ最大取引量のロッテルダム港はヨーロッパ各国への輸入品の窓口となっている。貿易で経済を成すオランダの国民は、やはり世界共通言語である英語に対して明るい。

日本経済も貿易によるところが大きいので、日本人全体ももう少し英語リテラシーが高くても良いものだが、貿易は商社が行ってきたこともあり、仕事で使わなければ基本的に英語ができる必要がない環境が影響しているのだろう。

しかし今やオランダ企業のように、製造業、小売業であっても自ら直接輸出・輸入をする時代だし、ドメスティックなサービス業であっても英語を話さなくてはならない機会は増えるはずだ。やはり英語の習得は必須となってくる。

外国での接待は自分の全身全霊でぶつかる

旅の楽しみの1つは食事だろう。現地の料理を試してみるだけでも楽しいが、仕事でお客と食事をするときは、普段できない会話を楽しみながら食事ができる。

外国での接待でよくあることは、家族同伴でお客と食事をする。今回も、お客男性とその彼女、彼の上司とその旦那と僕の5名でディナーをした。つまり、上司と部下がお互いの家族やパートナーをオープンにしているということだ。

社員を家族の一員のように扱い、良い意味でプライベートまで干渉する。日本的経営や家族経営と呼ばれる形態が意外にもヨーロッパでも見られる。もちろん会社規模や個人の考え方によると思うが、こうした社員や仕事関係の人に自分のプライベートをオープンにするヨーロッパの人は多い。

食事中の話の内容も家族の事や子供の事に話が及ぶ。そうした話ができた相手とは、懐まで入り込んだ関係性となり、ビジネスでも良い信頼関係が築けることが多い。僕も自分の事や家族の事をオープンにし、僕という人間とこれまでの人生経験全てでお客とぶつかる。そうしないと対等に話ができないし、信頼関係が築けないからだ。

今回初めてオランダへ出張したが、異なる街の雰囲気やコミュニケーション能力の高いオランダ人との交流により、沢山刺激を頂けた。また是非訪れたいと思える国だった。